推理~探偵~ (10/13)


「うん…、うん…、そうゆうことで。んじゃまた。」


俺はかけていた電話を切ると和夫達の元へ戻る。


和夫と美代子は並んでソファーに座っていた。

その前には布団を頭から被せられた真由美の死体が転がっている。


ここはラブホテルの事務所だ。


人目につくところに死体はまずいと思った俺はここに死体を動かしたのだ。


警察になんて言われるだろうか。

きっと怒られるだろうなんて考えても後の祭り。

だから今知り合いの警察官に電話をしておいた。

そいつが来てくれると言ってくれて本当によかったよ。



さて、こっちはお礼の代わりと言ってはなんだが、ちょっと警察のお手伝いをさせてもらおう。


「美代子さん、そして和夫さん。」


俺が二人に話し掛けると美代子と和夫はゆっくりと顔をあげた。






「犯人は、あなた達ですよね。」


その一言に場が凍り付く。

一度これを言ってみたかったんだ。


「…はぁ?なんで私達がこの女を殺したことになるわけ?!」

美代子が声を張り上げる。
和夫も隣でうんうんと首を縦に振った。


「いやぁ、一応考えてみたんですよ。そしたらね、あなた達なら可能だと思ってね。」


そうだ。

こいつらなら可能なんだ。

俺は紙とペンを懐から取り出すと殺害現場の見取り図をサラサラと書き出した。

「いいですか、和夫さんの車はこの位置。そして僕の車はこの位置。で、僕と美代子さんが張り込みをしたのはこの茂みの裏側です。」

ペンで紙をタンッと指しながら話す。


和夫の車の位置。


それはラブホテルの駐車場に入ってすぐ右側のところだ。


「一つずつ話しましょう。まず何故あなたがこの位置に車を止めたのかです。おかしくないですか?駐車場は他の位置もたくさん空いていた。なのにも関わらず、あなたは外からもナンバーが確認できるこの位置に車を止めた。普通ラブホテルで、ましてや不倫関係にある人と来ているのなら車は隠れる位置に止めるでしょう?」


「それがなんの関係があるんですか!?」

和夫は声を荒げて俺の話を遮る。


「まぁ落ち着いてください。次に凶器。凶器はさっき私が取ったこの針です。」

ポケットから針を取り出すとそれを和夫の目の前に持ってくる。


「重要なのはこれの打ち込まれた角度です。立っている状態の真由美さんの首に刺さった針は明らかに斜め上の角度から打ち込まれたものです。そしてその角度の先は……向かい側の会社の屋上です。あなたの取引会社のね。」


俺がにやけると、和夫は微かに息を飲んだ。