推理~探偵~ (8/13)
そして今日が当日。
俺は黒いジャンパーにジーパン、黒のニット帽という何ともそれっぽい格好をして車を運転している。
助手席に座る美代子はというと、何故か黒のスパンコールが一面にキラキラとした服。
尾行する気あんのかこいつ。
おかげで、和夫の車を追うのも一苦労。
他の車を一台挟んで、その前に和夫と不倫相手の真由美が乗る車が走っている状態だ。
これ以上はうかつに近付くことは出来ない。
俺だけならまだしも、美代子は和夫の妻であり一瞬でも視界に入ればばれてしまう。
だから今日はいつもの3倍は慎重だ。
あーあ、やっぱ連れて来るんじゃなかった。
しばらく無言で車を走らせていると、和夫達の車はラブホテルへと入っていった。
そこはウィンダブルの取り引き会社の真裏にあるラブホテルだった。
よくもまぁこんな危ない所に入っていけるな。
そんなことを思いながらも、車を路上に駐車する。
「どうします?行きますか?」
俺は真由美に投げ掛けながらシートベルトを外す。
「まだよ。どうせならラブホテルから出て来たところを捕まえるの。」
真由美は車を降りてホテルへ入っていく和夫を見据えながら返して来た。
おっかねえな、この女。
でもそれが依頼主の頼みならそうするしかない。
俺はそのままシートを少し倒すと時計を見た。
現在午後9時。
明日は朝帰りになるのかなぁ。