推理~探偵~ (7/13)
「こちらが不倫相手の真由美さんのお写真です。」
俺はそう言って昨日撮った写真を美代子の前に提示した。
美代子は写真を見ると、冷静なままこちらを一瞥(いちべつ)した。
「で、どうなさるの?」
おいおい夫の不倫相手の写真見た感想がそれかよ。
冷てぇな。
いや、もとより愛情なんてないってことなのか。
「電話でお伝えした通りです。あとはあなた自身がどうなさりたいかでこちらが動くかどうかを決めます。」
いちいち聞き返すなってんだ。
ちゃんと朝電話して内容伝えただろ。
俺は心の中で愚痴をこぼしながら淹れたてのブルーマウンテンを口に運ぶ。
「じゃあ、現場を押さえましょう。私も同行させていただきますわ。」
思わずブルーマウンテンを吹きそうになる。
「あ、え、いや…わたくし一人でも十分かと…。」
着いてくるなよ、鬱陶しい。
仕事の邪魔になるだけだ。
とは言えず…
「いいえ、着いて行きます。」
「…わかりました。」
結局、ごり押しに負けた。
邪魔にならなければいいが。
万が一尾行がばれたりでもしたら大変だ。
そのまま逃げられ、あとから問い詰めても言い逃れられてしまう可能性が高い。
そうなれば美代子は間違いなく俺のせいにするだろう。
それだけは御免だ。
絶対にあってはならない。
「それでは、当日8時に事務所でお待ちしております。それと尾行ですので極力派手な格好はおやめ下さい。」
そのピンクのカーディガンのことだよ。
俺は美代子のナンセンスな服装を見ながら思う。
てかナンセンスって言葉がナンセンスだな。
美代子はわかったとだけ言うと事務所からそそくさと立ち去った。
さぁ、面倒なことになったな。