推理~多重人格者~ (8/21)
箱の中からは二枚の紙が出て来た。
片方はB4程度のサイズの紙で、もう一枚はおそらくメモ帳を破いた紙だろう。
僕はまずギザギザと破いた後の残るメモ帳に目を通した。
『真相。それは空白の一年の記憶。』
その字は確かに僕の、いや、ショウの字に見えた。
空白の一年……。
僕の記憶のない一年を知ることが出来るのか?
どれもショウの差し向けたことなのか?
だとしたらいつこれは書かれたんだ?
考えれば考える程混乱してくる。
僕はたくさんの疑問を残しつつももう一枚の紙を見た。
そこには次のキーとなる言葉が綴られていた。
『2010.4/1 PM7:00 西倉中裏庭花壇3-1』
なんだこれ?
西倉中は僕の母校だ。
でも他がよくわからない。
裏庭がどうしたんだ?
それにここに書いてある日付は明日の日付だ。
いよいよ、話が見えなくなって来た。
ダメだ、一度整理しよう。
真相は僕の空白の一年のこと。
そして僕にこの真相を教えようと差し向けているのはショウ。
ヒントは
二枚の紙。
一枚は真相=空白の一年ということを示している。
二枚目は母校西倉の裏庭と明日の日付が書かれている。
これをどう解釈したらいいのか……。
「ごはんよ、あつし。倉庫なんか開けてどうしたの?」
おばさんが窓から顔を出して首を傾げた。
辺りはもう薄暗くなっていた。
もう夕飯の時間か。
「なんでもない。今行くよ。」
僕はおばさんに返事をして倉庫を閉めた。
とにかく考えるのは後だ。
おばさんにもいくつか聞きたいこともある。
駆け足で玄関へ向かい、サンダルを抜いて居間へと向かった。