推理~多重人格者~ (5/21)
一階に下りるとすでにご飯の支度が調っていた。
おばさんの得意なカレーが僕の食欲を掻き立てる。
早速椅子に座って手を合わせてから食べ始めた。
「おばさん、丸吉って会社知らない?」
僕はあまり紙に書いてあった内容とは当たり障りの無いように聞いてみる。
「丸吉…丸吉ねぇ。どこかで聞いた気がするわねぇ。」
おばさんは食べている手を止めて少し考え込んだが、わからないと申し訳なさそうな顔をした。
「大丈夫、全然たいしたことじゃないから。」
僕はそう言いながら食べ終わった後の食器を台所まで運んだ。
皿洗いはいつも僕の仕事だ。
僕がお皿を洗っていると、おばさんも食器を持ってきてくれた。
食器を置くとじゃあお願いねと言っておばさんはリビングに向う。
明日は土曜日か。
あの紙切れの内容は少し気になるよなぁ。
きっとあの鍵がまさしく真相のキーなんだろう。
鍵があるってことは必ず鍵穴もどこかにあるはずだ。
暇つぶしがてら探してみよう。
この時僕はまるで宝探し遊びをするような軽い気持ちだった。
真相とは何かを知らずに……。