推理~独身会社員~ (13/18)



「僕はただお前が気に食わなかったからさぁ。お前はいつも僕よりも仕事ができるし正直目の上のタンコブなんだ。だから苦しませてやりたかった。君が居なくなったら僕が先輩達から信頼されるんじゃないかなぁなんてて思ってさぁ。」




やっぱり飯島、お前は狂人だよ。


でも一生懸命仕事をしていて恨まれるなんて心外だな。



まぁ今はそれどころじゃない。


どうにかして隙、隙だよ。


隙を作らないと。



俺は焦りながら回りを見渡す。



机の上のハサミ、箸、フォーク。






いや、ダメだ。


俺は今手が後ろで結ばれてるんだ。


これらを手に持って刺すなんて不可能だ。


それに凶器に近づけば俺が先に刺されてもおかしくない。



どうするか。






「ずいぶんキョロキョロしてるなぁ。まさか逃げられるなんて思ってないよねぇ?」


飯島は包丁を左手から右手へと持ち変える。

チッ



感づかれたか。





「逃げられるわけないだろう。なぁ、許しちゃくれないのかい?」






辺りを確認しながらダメもとで聞いてみる。






「アッハ!ダ、メ!!」




だよな。


くそが。





……ん?


俺は一つの物に目を止める。






これだ。


これしかない。




俺は一世一代の大勝負に出た。






「許してくれないのか。やっぱりバカはどこまで行ってもバカなんだな!!」