先生のヒミツ (23/25)

「ーーーーーーはあっ、はあっ、」


気がつくと私は激しく胸を上下させ、呼吸していた。
顔に巻かれていたタオルが外されたとわかった。



「さっき警察の人が来てたよね?」

痙攣している私に構わず、質問が投げかけられた。



私は辛うじて首を縦に振り、頷いた。
1度ではなく何度も小刻みに頷いた。


「白神奈子について調べてたんじゃないの?」



なぜ知っているんだろうと疑問が湧いたが、こくこくと頷く。


「予定通り動いてくれてるな……じゃあ先生、今からする質問に正直に答えてね」



もはや頷く事しかできない。
さっきの恐怖は2度と味わいたくなかった。





少し間が空いた後、中性的な声の彼は言った。








「白神奈子にコンドームをあげた『やよっち』ってあなたのことだよね?」





その質問は私の不意を突いた。

質問の内容を理解し、それに答えるまでの間に一瞬の戸惑いが生じた。



0.1秒の迷い。
いや、0.01秒の動揺。



私は首を左右に振った。



私の一瞬の迷いは悟られただろうか……

私の嘘を見破るには十分な「間」だったかもしれない……











「先生、正直に答えてねって言ったはずだよ」





私の顔に、濡れたタオルが巻かれた。