先生のヒミツ (17/25)

「先ほど佐倉先生がおっしゃった東西第二高校の変死事件ですが……それは、今、私たちが追っている事件です」

大貫刑事は慎重な様子で話し始めた。


「そして別件で、白神奈子を探して欲しいと匿名で申し出てきた人物がいました。詳しいことは申し上げられませんが、捜査の結果、生徒の変死事件に関わっている人物と白神奈子を探している人物が同じであることが判明しました」



変死事件に関わっている……?
つまりそれは……



「はっきり言いましょうか」

大貫刑事は私の内心を読み取ったのか、改まった口調で言った。


「変死事件というのは学校側の都合でしょう。もしも犯人が見つからなかった時の為の予防線です。我々は変死事件ではなく、殺人事件ではないかと疑っています」





「それはつまり……」

私はそれ以上言葉を続けることが出来なかった。




しかし、大貫刑事が大きく頷いたので、自分の考えが間違いでないことを悟った。






「御察しの通り。この変死事件には犯人がいます。そして犯人に接触する方法は1つ。白神奈子を探し出すこと、です」



そういうことか……
さらに捜索対象が自分の娘だったというわけか。



「こうして今日、先生をお訪ねしたわけです。ここまではよろしいですね?」



「はい……それで、なっちゃんの……奈子さんの元恋人の進学先が事件現場である東西第二高校……だったという、こと、です、よね……?」




「ええ。先生、その通りです。今回の事件の犯人が校内の人間とするなら、白神奈子を探している犯人と、奈子の元恋人が同じ高校ということです。これは……」


大貫刑事は大きなため息をついた。

そして、苦虫を噛み潰したような苦悶の表情を浮かべて、最後にこう呟いた。









「これはただの偶然なんかじゃない」