先生のヒミツ (12/25)
夏休みも残り3日となったところで、「そういった話題」はピタリとなくなりました。
なっちゃんが話す内容は、彼女の家庭事情であったり、弟の話であったり……
私から性についての話を切り出す事も出来ませんでした。
なぜ「そういった話題」がピタリと止んだのか。
理由は直感的にわかりました。
楢崎君となっちゃんは肉体関係を持った。
だからこそセックスに関する話を振ってこなくなった。
私はそう確信しました。
夏休み最終日は、いつもより遅くまで居残りをしました。
それは特別講習の打ち上げと称して、4人で花火を楽しむためです。
コンビニで購入した安物の花火でしたが、いい思い出になりました。
その時の2人は今までよりも確実に親密度を深めたように見えました。
線香花火を見つめるなっちゃんは、その小さな火に何を願ったのでしょう……
今となっては、わからないままですが、
なっちゃんは、幸せそうでした……
その時が最も……。
夏休みが終わり1ヶ月が過ぎた頃、不吉な何かが漂い始めました。