先生のヒミツ (11/25)
そして私は教師としてあるまじき返事をしてしまいました……
「もちろん」
そして、より具体的な話になっていきました。
「ゴムを付ければいいんだよね?」
そうよ、と答えました。
所詮、中学生ですから避妊具なんて入手出来ないだろうと甘く考えていました。
教師と生徒が親密になるということが、どれほど危険なことか、その時の私にはわかりませんでした。
冷静な判断を下せない程、私たちの仲は深まっていました……
……ただの言い訳ですね。
この話からわかったことは、なっちゃんと楢崎君の関係が進展しているということです。
その時の私は、なっちゃんに青春を楽しんで欲しいという気持ちでいっぱいでした。
本来なら、「性の怖さ」や「妊娠」の現実を教えてあげなければなりません。
しかし、私は数ヶ月の彼女の劇的な頑張りを見てきました。
だから、なっちゃんには勉強も恋も充実させて欲しいと……
申し訳ありません、言い訳ばかり出てしまって……
後悔しています。
そうこうしているうちに夏休みも最終週となりました。
その時点で、なっちゃんとのお別れまで残り2ヶ月を切っていました。