胎児のゆくえ

驚きました。
思わず聞き返してしまったほどです。


「やよっち見てたら先生って良いなーって」



なっちゃんからそんな言葉が出てくるとは思いませんでしたが、内心とても感激しました。

勉強の楽しさを教えてあげよう！
私の原動力となりました。


教師として喜ばしいことです。


その頃の彼女の変化には驚いていました。


パサパサだった髪は徐々に艶やかになっていました。

美人になるだろうな、と期待もしました。
左目の下にある泣きぼくろも魅力的に見えました。




それから数日が過ぎ、夏休みが始まりました。
夏休み中は週に3回、学校に来て勉強することになっていました。


教室で特別講習の準備をして待っていると、なっちゃん達はやってきました。


……そうです、なっちゃん達、です。

教室にやって来たのはなっちゃんを含め3人でした。

1年生の頃に体育館裏で一緒に授業をサボっていたというメンツだったんです。


そして、なっちゃんは友人2人を私に紹介してくれました。