先生のヒミツ (5/25)
私も浜田先生からの指示を受け入れました。
なっちゃんを……
失礼いたしました。
奈子さんのことを、そう呼んでいたものですから……
構いませんか?
……ありがとうございます。
私は、なっちゃんを良い方向へ導いてあげようと心に決めました。
先生としてではなく、姉妹のように接する方が彼女にとって良いのではないかと考えもしていました。
なので、なっちゃんの生徒指導を一任されたのはちょうど良いタイミングだったと思っていました。
さっそく私は髪をショートヘアーにしていきました。
「あれ!やよっち髪切ってくれたんだ!」
他の生徒にも髪のことで褒められたり声を掛けられたりしましたが、なっちゃんの喜んだ顔が私にとって一番嬉しいことでした。
夏休みまであと数日後という頃には、友達と言っても良いほど、私たちは親密になっていました。
放課後は必ず2人で話をして帰りました。
夏休みが始まる前に、思い切って彼女の生徒指導を行うべく行動を起こしました。
それは勉強のことです。
彼女の1年生の頃の成績は良くありませんでした。
このままでは良くないことを我々大人は知っています。
なっちゃんには幸せになって欲しいという想いを込めて、
「夏休み、一緒に勉強しない?」
と誘いました。