先生のヒミツ (3/25)

「そう?まあ……私は染めたことないからさ」

私は彼女の金髪の髪に触れました。
毛先が傷んでパサパサでした。


「私も染めとけば良かったな、って後悔してるくらい。白神さんが羨ましいわ」


彼女は、少しはにかんで、


「でも染めなかったから今のきれーな髪があるんでしょ?」


「ふふ、そうね」


「もうムリかなーあたしの髪は」


「大丈夫よ。まだ若いんだから」


聞いているのかいないのか、彼女は髪をいじっていました。
そして最後にひと言、


「奈子でいいよ、やよっち」


私にあだ名を付けて、帰って行きました。

あ、私の名前は弥生です。
だから、やよっちだそうです。



その日から奈子さんとの会話が増えていきました。
ホームルームが終わると、他の生徒が帰ったのを見計らって話しかけてきました。


そうなんです、可愛らしい女の子でした。
見た目や態度は不良少女でしたが。


可愛い妹分だと、私は親しみを感じていました。

彼女も同じ気持ちだったのではないでしょうか。



月が変わる頃に、髪も黒に戻してきました。

それから数週後、彼女は「報告がある」と話しかけてきました。