刑事の決意 (7/18)
被害者が拷問に掛けられた原因を探るため、遺体発見の前日にトラブルがあったという日村に詳しい事情を聞くことにした。
被害者の金本と日村のトラブル。
日村が部活動に関する資料を教室に貼ろうとした時に起きたという。
日村に直接会いに行った。
彼は放課後、ミステリー研究部の部室である美術準備室にいるらしい。
美術準備室には3人の生徒がいた。
日村、篠崎、山科という生徒だ。
大貫は3人に世間話でもするように話しかけた。
「日村くん、君は金本くんと揉めたらしいね。彼が死体となって発見される前日」
すると彼は怯えるように、また怒りも含んだ目で見返してきた。
まだ自分が疑われているのかと不快に思わせたのかもしれない。
「いや、君を疑ってるわけじゃないんだ」
「もちろん僕は何もしてません……」
そして大貫は本題に入った。
「トラブルの時に君が持っていたという資料を見せて欲しいんだ」
なんのために。
日村の目はそう言っていた。
しかし、先輩2人が彼を促し、大貫は問題の資料を目にした。
大貫はその資料に書かれていた名前に腰を抜かしそうになった。
まさかこんな所で……この子の名前が……