刑事の決意 (6/18)

犯人に殺意は無い。
では、なぜ金本は殺されたのか。


死んでしまったと考えることができるのではないか……


もしそうだとしたら、殺害方法も推理できる。



犯人は強い光で被害者の目を眩ませた。
この光が、日村という生徒の目撃した光の正体だ。


そしてスタンガンで気絶させた。

トイレまで運び、手足を拘束した。


さらに、遺体の口内から発見された綿素材の繊維。
その繊維は雑巾のものであった事実から、口を雑巾で塞がれていたと推理できる。


ここからどのようにして窒息死に持ち込むか……ただし犯人に殺意はなかった。




つまり、拷問、だったのではないか。



そこでウォーターボーディングという拷問を思い出した。

顔を布で覆い、そこに大量の水をかけるのだ。
息を吸えば水を飲むことになり、水を飲まないようにすると呼吸を止めなければならない。



生と死の境を彷徨う拷問だ。

今回、犯人はその手を使ったと考えられる。



では拷問に掛けられた理由は何か。
それを調べる為、再び被害者の周辺を洗った。


その結果、大貫にとって最重要な人物の名前が挙がった。



その名は、白神 奈子。