刑事の決意 (3/18)
日村 まさる (16) 高校1年男子。
外見は地味。
いかにもオタクといった雰囲気が漂っている。
ミステリー研究会に所属している。
お似合いである。
日村は、今回の事件で最も動機のある人物だ。
金本とのトラブルが引き金となり、殺人に至った。
日村が部活動に関する資料を各教室に頒布する作業中、金本が邪魔に入った。
というのがトラブルの詳細である。
金本からの嫌がらせに我慢の限界が来た。
そして放課後、呼び出し殺した。
……我ながら無茶な推理だった。
殺すほどの動機ではないし、日村からは攻撃的な印象は受けられない。
かといって他に事情があれば話は変わってくるが。
何より日村にはアリバイがあった。
金本が殺された時刻、彼は部活動の先輩と一緒に部室にいた。
その先輩2人が日村を庇っているか……
いや。
いくら何でもそれはない。
庇う理由がないのだ。
そして別の容疑者が浮上した。
佐々木みのりだ。
金本の私物のカバンの中に、佐々木みのりからの手紙が入っていたのだ。