刑事の決意 (2/18)

大貫は被害者の情報を整理していた。


金本 武雄 (16) 高校1年 男子

5月12日。
校舎4階の男子トイレで遺体として発見された。

第一発見者は金本と同じクラスの日村という生徒。


現場はトイレの個室で、洋式の便座に頭をもたせかける様にして仰向けで倒れていた。

トイレ付近で争った形跡は無い。
その代わり、トイレの個室まで引きずった痕跡が廊下に残っていた。


死亡推定時刻は前日11日の午後6時前後。

その時刻に現場から光が発されたとの目撃情報が入っている。
その情報源は第一発見者の日村である。


この日村という生徒は、同じく前日の11日の午前に教室内で金本と少しトラブルがあったようだ。


入学当初から金本は日村をイジメの対象としていたという情報も得られた。




大貫が事情聴取を行う中で、最初に目をつけたのは、日村だった。