女の友情 (20/26)
放課後、授業が終わるといつもみのりと共に部活に行くが今日は違った。
ホームルーム後、みのりは甘橋さんのところに一目散に駆け寄った。
先に部活に行っていようかと思ったが、考えた末、私は2人に合流した。
「明日は遅刻しないでよ!」
みのりは楽しげに甘橋さんに言った。
デートは明日だ。
私にはもう関係のない話。
「もちろんよ、わかってるわ」
甘橋さんは上品な口調で答える。
デートに誘われたことを嫌がっている風には見えなかった。
まんざらでもないんじゃない……
「じゃああたしたち、部活行ってくるね」
その場にいる私に話が振られることもなく、みのりは教室を出て行った。
「もうあの道を通っちゃダメだからね」
と甘橋さん。
私も後をついて行こうとしたその時。
不意に右手を掴まれた。
振り向くと甘橋さん。
彼女は私の手に何かを握らせた。
そして一つ頷くと、さっさと教室を出てしまった。
なんなの一体……
そっと手を拡げてみると、何かをメモした紙だった。
そこに書いてあったのはLINEのIDだった。