女の友情 (19/26)
え……
どうしてそうなるの?
私は絶句した。
甘橋さんにお礼がしたいんだよね……
それなのになんで……?
「彼が長居さんに女の子を紹介するって話じゃん?甘橋さんの名前を出した途端に、はしゃぎだしちゃってさ」
だから何だっていうの?
みのりはどうして断ってくれなかったの?
私に構わずみのりは話す。
「甘橋さんって、3年生の間でも有名みたい。やっぱりあの容姿じゃ目立つよね」
仕方がないことのように彼女は言う。
つい数日前までは甘橋さんの容姿が目障りだったくせに……
「そ、そうなんだ」
私は辛うじて笑顔を作った。
「うん、そういうことだから。ごめんね」
両手を合わせて媚びるような彼女の目。
まるで謝罪の気持ちが見えなかった。
「いいよ気にしなくて」
胸が痛い。
ふと思った。
甘橋さんはデートの誘いに対してどう思っているんだろう。
そんなことを気にしても、どうにかなるものでもない。
その後みのりと他愛のない話をしたが、内容は全く頭に入ってこなかった。