女の友情 (16/26)

「どうして甘橋さんが……みのりに何かあったの?」



「佐々木さん、襲われて……強姦に」



「えっ……嘘でしょ?」


みのりと別れた時を思い出す。

暗く細い道を進んで行くみのりの後ろ姿。
やっぱり危険な道だったんだ。

私がもっと強く止めておけば……


「でもね」

甘橋さんは落ち着いた口調で続けた。

「未遂に終わったの。自転車ごと倒れたせいで軽いケガはしてしまったみたいだけど」



それを聞いて少しだけ安心した。
心に残る傷は浅いほうがいい。


「……そう。よかった……」


「今は病院で手当てしてもらってるわ」


「あの……甘橋さん。ありがとう」


どういう経緯で甘橋さんがこの一件に絡んできたのかは分からない。

みのりを救ってくれたようだ。

そして甘橋さんの声を聞くとなぜか安心してしまった。
それに対してのお礼だった。


「また詳しいことは明日、本人から聞けると思う」


「うん、わかった」


聞きたいことは沢山あったが、みのりが無事なら、騒がずに明日を待った方が彼女のためだ。

きっと明日には多少なりとも落ち着いて話が出来るはずだ。





それにしても……

どうして甘橋さんが……?






その日、私は寝苦しい夜を過ごした。