女の友情 (13/26)

「もちろんじゃん!ちょー楽しいよ」

最高の笑顔で彼女は言った。
幸せそうだ。


清瀬さんは、みのりの彼氏。
高校3年。

みのりは結構モテる。
入学して1ヶ月で清瀬さんと付き合い始めたのだ。

甘橋さんの美貌にひがんだりはするけれど、みのりもなかなかの美人なのだ。


そんなみのりの彼氏である清瀬さんの友達と私を含めた4人で、遊びに行く予定が決まっている。


私はそこで清瀬さんの友達に紹介してもらえるということだった。


その友達とは清瀬さんと同じクラスの長居さん。

身長が高くて、なかなかのイケメン。
どこか陰りをもった目に惹かれてしまう。


「ちょっと、琴音!今長居先輩のこと考えてたでしょ」


「そっ、そんなことないよ!」


「またまた、照れちゃって」


ダブルデートの日まで、あと少し。
浮かれたテンションの帰り道はあっという間だった。


「じゃあまた明日ね!」

そういって彼女は脇道にそれた暗い道に自転車を進めた。


「またそっちから帰るの?物騒じゃない?」
私は心底心配した。

その脇道はみのりの家までの近道だった、
しかし、明らかに人通りが無い。

みのりはイヤホンを耳に付け私に手を振る。

大丈夫、大丈夫、と繰り返す彼女の後ろ姿を見送った。



いつもの事だし大丈夫だよね……
不吉な予感を振り切るように、私はペダルを漕いだ。