女の友情 (7/26)
「昨日は……佐々木みのりさんと一緒に帰りました」
「それは何時頃かな」
大貫さんは事務的な口調で質問を重ねる。
「たしか、部活が終わって5時過ぎ、だったと思います」
「なるほど、何の部活をしているのかな?」
「ダンス部です」
「へえ~ダンス部なんだ」
空気を和らげる狙いか、大貫さんは柔らかく笑った。
目の奥は笑っていなかったけど。
「佐々木みのりさんとは仲がいいんだね」
「はい、家が近いのですぐに仲良くなりました」
「そうかあ。ちなみに学校から家までは何分くらい?」
「30~40分くらいです。自転車でゆっくり、お喋りしながらですけど」
「2人の家はどのくらい離れてるのかな」
「10分くらい…ですかね」
淡々と大貫刑事の質問に答えていた。
突然、彼の目つきが変わった。
「小原さん、佐々木さんから聞いたでしょ。困ったなあ、事情聴取の内容は誰にも話さないでって言ったのに」
え……どうしてわかったの?
私は驚きを隠せなかった。
すると私の心を見透かした様に大貫さんが口を開いた。
「普通ね、こんなに根掘り葉掘り質問されたら嫌がるよ。なんでそんな事聞くんですかって。何か事件と関係あるんですかって、ね」