女の友情 (6/26)

「琴音は事情聴取で何を聞かれたの?」

金本の遺体が発見された翌日。
学校は事件のことで持ちきりだった。


「私?みのりと一緒に帰った時のことを聞かれたの。アリバイってやつね」


金本のカバンの中にみのりからの手紙が入っていた件で、その日一緒に帰っていた私も事情聴取を受けたのだ。


昨日、担任の先生に呼び出された私は、生徒指導室へ招き入れられた。


中には目つきの鋭いスーツ姿の男の人が2人いた。

彼らは、部屋に入ってきた私の全身を舐めるように観察していた。


「こんにちは。私達はこういう者です」

2人の男性の内の1人が、ジャケットのポケットから手帳を取り出して見せてきた。


……警察だ。
予想はついていたが、いざ目の前にすると迫力に気圧される。

名前は大貫(オオヌキ)さんというようだ。


「早速だけどね、昨日の放課後の事を教えて欲しいんだ。例えば誰と帰ったか、とか」


大貫さんは世間話でもするかの様に、重要な事を尋ねてきた。