探偵部の活動日誌 (11/16)

彼の手にはA4の半分ほどのサイズのビラ。
篠崎の手には画びょう。


いかに誰にも気付かれずスマートにビラを貼るか。


賑やかな教室。
地味な二人を見ているものなどいない。


山科が黒板の横のスペースにビラを広げる。


篠崎が素早く画びょうを刺す。



いける。
篠崎はそう思った。


しかし、それを表情には出さない。


篠崎と山科は素知らぬ顔で教室を出た。
一瞬、緊張が緩む。


ここからは二手に分かれて二年と三年の教室を分担する。


ここからが勝負だ。
他クラスに潜入するため、より一層、存在感を消さなければならない。


しかし、陰キャラである篠崎たちには簡単な仕事だ。

隣の教室に入ろうと扉に手をかけたその時。










マナーモードにしたスマホが振動する。
スマホを確認する山科の顔が曇る。

彼は画面をこちらに向けた。






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