探偵部の活動日誌 (12/16)
篠崎と山科は顔を見合わせた。
「山科、助けに行くぞ」
同じ意見かと思ったが、山科の表情は硬い。
「いや、目立っちゃダメだ」
「何言ってんだよ!」
「事を大袈裟にせず真実を…」
「そんな事言ってる場合じゃないだろ。僕は行くぞ」
篠崎は踵を返し、1年生の教室に向かった。
山科も渋々といった感じで着いてきた。
1年生の教室のある4階に到達した。
一旦呼吸を整え、廊下を覗く。
生徒たちが賑やかに休憩時間を楽しんでいる。
そこで再びスマホが震える。
LINE[探偵部]ムヒヒ村:ビラを奪われてしまいました…ビリビリに破かれて…
奪われた?
一体誰に?
しばし黙考ののち、篠崎はため息をついた。
仕方がない、作戦は失敗だ……