探偵部の活動日誌② (3/13)
「改めて問うがどうして君がそのことを知っているんだ?」
先に沈黙を破ったのは大貫刑事だった。
山科や日村、小原さんは青野刑事とともに別室に移された。
「答えなければいけませんか」
僕は攻撃的に出た。
「……まあいい」
ため息を吐きながら、大貫刑事はパイプ椅子の背もたれにもたれた。
椅子が軋む。
「大貫さんたちの用件をどうぞ」
あくまでも向こう側に合わせる。
相手の弱味は確実に握っている。
大貫刑事たちが部室に来た後、僕たちは全員部屋を出て行くように言われた。
詳しいことは何も話されないまま、PCだけ貸すように指示された。
部室を出て行くよう言われた時、僕は手持ちのカードを1枚切った。
「大貫さんのお子さんですか?」
僕がそう呟いただけで、刑事はその意味を察したようだ。
僕のそのひと言を耳にした大貫刑事の動きが、一瞬止まったのを見逃さなかった。
そして僕1人、部室に残るようになったというわけだ。
大貫刑事は知りたくて仕方がないのだろう、自分の子どもの居場所を。
「我々の用件……君たち宛に届いた人探しの依頼があっただろう?白神奈子さんを探しているというあの手紙だ。我々は彼女の居場所を突き止めた」
刑事は慎重に本題に入り始めた。
「そうなんですか。それで僕たちのところへ来たんですか?どうしてですか?」
答えを知っていながら尋ねた。
「……それは捜査上の秘密だ」
頑として詳しいことは話してくれそうになかった。
それはそうかもしれない。
僕たちは部外者だ。
僕は一気に詰め寄る事にした。
「この依頼主が、金本君を殺した犯人だから。ですよね?」
大貫刑事の目を見た。
僕たちがそこまで突き止めているとは思っていなかったのだろう。
その意思の硬そうな瞳が揺れた。