君のためなら (25/26)

それは『離婚』だ。



名字が変わるイコール、そういう事だと考えて間違いないだろう。

そして万里子から聞いたヨっくんの人物像にも当てはまると推理できた。


ヨっくんは万里子と手紙のやり取りをしていた。
その頃の名字は大貫だ。

そして文通が途絶えた。
おそらく、その頃に両親が離婚したのではないか……



さらに依頼文から計算すると、白神奈子さんが中学2年で妊娠。
その頃、白神由基君は小学6年生。


ヨっくんから万里子当てに最後の手紙が届いたのは、中学1年になった頃。
それは奈子さんの妊娠からしばらく後だ。

親の離婚を隠すため名字が変わったことは隠していたはずだ。



万里子宛の手紙が途絶えたのも、最後の手紙が届いた時も、家庭の事情が深く絡んでいる。

逆に言えば、手紙が途絶えた時期と最後の手紙が届いた時期に何か環境の変化があったということだ。


私たちは、そういう結論に落ち着いた。


白神由基から白神奈子に辿り着ければ……

依頼文を送った犯人と上手く接触できれば、逮捕に繋がるかもしれない……





犯人に近づく糸口を掴んだのだ。



最後に篠崎さんがまとめた。


「白神由基を見つけてそこから白神奈子に辿り着きたい。次なるキーパーソンは笹峰 万里子さんだ」