0016 葛飾 アンジュ 蝶 編 (30/79)

「特に大きな疾患やアレルギーの経歴も無いわ 」


フジコ先生は、もう1つのパソコンに向かい話し続ける。


「どうするリュウオウさん 中央さん?」


「罠だね」


保健室のパソコン越しからリュウオウ様の高い声が聞こえる。フジコ先生が保健室のパソコンにIP電話を入れてくれたんだ。今日は中央さんも参加している。


リュウオウ様の言う通り、これは確かに罠の可能性が高い。ちなみにリュウオウ様も授業をサボって、携帯からパソコンに連絡している。仕組みは分からないけど、すごい時代だよね。


「怪しいを通り越してバカバカしいけど ついに来た所有者からのコンタクトだものねえ」


フジコ先生は両手でコーヒーのカップを持ちながら、そう言った。


今日は後ろ髪をアップにして、前髪を分けて垂らしている。保健室の先生と言うより、何かもう科学者に近い存在だと思う。


「なんで このタイミングなんだろ」


1ヶ月間、ジュリアが高校に潜入した間は何も起きなかったのに。


「相手はフジコが来て 動き始めた」


リュウオウ様の言う通り、フジコ先生が来たこの数日間で劇的に物事が動いている気がする。


「あら 嬉しいじゃない 私のファンかしら?」


フジコ先生は冗談のつもりでそう言ったけど、ジュリアは面白くない。まるでフジコ先生の手柄みたいじゃない。