0016 葛飾 アンジュ 蝶 編 (19/79)

それでも関係無しに、手元に力を込めると、フジコも力を込めて止めてきた。


「あの人からの命令よ」


「え」


その言葉で全身が硬直して、頭の中が真っ白になる。


あの人。リュウオウ様。リュウオウ様だ。


「落ち着け 冷静になれ って」


落ち着け、冷静になれ。


リュウオウ様の声が聞こえた。喋っているのはフジコなのに。


同時に、すごく恥ずかしい気持ちになる。


フジコがリュウオウ様に報告したんだ。ジュリアが頭に血が登ってるって。


放心したまま、視界に映る全てを冷静に見る。


泣きじゃくるブス。手に持つハサミ。床に落ちた髪の毛。


ブス。 汚物。ハサミ。 髪の毛。


ジュリア、何してるんだろう。リュウオウ様の奴隷を増やすのが大切なのに。赤と黒の反応を探るのが最優先なのに。


ジュリア、自分の事ばっか考えてたんだ。