0016 葛飾 アンジュ 蝶 編 (7/79)
「勝負したの?」
濡れた唇から出たような、セクシーな声。
気が付くと、白い天井が見えた。
ここ、保健室のベッドかな。
声がした方を見ると、メガネを掛けた肌の白い女の人。ジュリア、保健室に辿り着いたと同時に気絶したんだ。
「葛飾ジュリアね?」
「あ うん」
「台東フジコよ」
彼女はそう言って、ジュリアのオデコに手を置いた。冷たい。この人絶対便秘気味だ。
「もう一度確認するけど 誰かと勝負したの?」
「してない」
台東フジコもジュリアも、校内でSCMを着けるなと命令されているから、今は確認のしようが無いけど。
「後でGPSで確認すれば分かる ジュリアは勝負してない」
「そう 分かった」
台東フジコはそう言いながら、ジュリアに体温計を渡してきた。
「計っておいて 一応仕事だから」
言われた通りに体温は計ったけど、熱は36.5度。至って平熱だった。