0016 葛飾 ジュリア 蛹 編 (36/91)

「うぜえ!うぜえんだよ!」


ガヅ ガン


リュウオウ君は玄関に置いてある靴や靴棚を蹴り始めた。


ジュリアはただ声を押し殺して身を引き締めて目を瞑る。


怖い、怖いよう。


どうしよ、どうしよう!


ガヅ ガン


普段は冷めていて、何に対しても興味の無さそうな子だけど、初めて感情的な様子を見せてきた。超プッツンだよこの子。


ジュリアの足元に靴たちが当たる。絶対これお母さんと練馬会長の事の八つ当たりだし。


それからしばらく床とかを蹴っていたけど、リュウオウ君はやっとおとなしくなった。


暗い玄関先で、互いの鼻息だけの音が聞こえるようになる。


「はあ は」


恐ろしく長く感じた沈黙だけど、多分数十秒くらい。


「脱げ」


リュウオウ君の口から突然出た言葉だった。


「へっ?」


言葉の意味を理解する前に、リュウオウ君はジュリアのショートコートの上着のボタンを外そうとする。


ジュリアはリュウオウ君の手を拒否する勢いで、自分でボタンを外した。


結局、言われるまま、ジュリアはまた服を脱いでいった。


今度は上半身が裸になるまで。