0016 葛飾 ジュリア 蛹 編 (32/91)
「誰あれ」
リュウオウ君はエレベーターに乗った練馬会長を睨んだまま、ジュリアにそう聞いてきた。そっか、会ったの初めてなんだ。
「えっと 練馬ヨシムネさんって言って すごく怖くて偉い人」
「何が怖くて 何が偉いの?」
不機嫌な問いに、思わずテンパる。
「えっと えっと たくさんのお店を経営してて 会長もやっていて あ 会長は社長より偉くて 人にお金貸したりもしてるけど 返さない人にはひどいこともする人で」
「ママも?」
「あっ 」
「ママもひどいことされてるの?」
「それは 」
リュウオウ君は真っ直ぐジュリアを見ている。リュウオウ君のママの仕事はピンサロ。
「人にもよるけど 女として とてもつらい事かもしれない」
ジュリアはリュウオウ君の目を見ないでそう言った。
それからはお互い無言で家まで帰った。