0016 葛飾 ジュリア 蛹 編 (29/91)
練馬会長に釣られ、ジュリアもビルを1階の内側から見上げる。
「あっ」
思い出した。
このビルも、ビルの店舗も、コンビニ以外は全部練馬会長の系列店だ。
もちろん、リュウオウ君のお母さんが働いている風俗も。
練馬会長はリュウオウ君の顔を覗き込み、注目する。
「ああ ふうん」
新しい電化製品を興味深く見るみたいに、首を傾げながらリュウオウ君へ目線を合わせる練馬会長。
「君が店に突入した いたずらっ子かあ」
やっぱり、練馬会長は知ってるんだ。リュウオウくんがお母さんに会いたくて、お母さんのお店に突撃したこと。
「坊主 お母ちゃんを助けたいか?」
突然、練馬会長がリュウオウ君にそんなことを聞いてきた。
「へっ?」
リュウオウ君は目を反らさずに黙っている。
「怖い目するねえ まあ お母さんはワシからお金借りてるもんねえ」
あっ。
おばさんは練馬会長からお金を借りてたんだ。