0016 葛飾 ジュリア 蛹 編 (28/91)
あの時リュウオウ君は何がしたかったのか、改めて思えばジュリアにも分かる。
パズルゲームでジュリアと勝負する前にリュウオウ君が言っていた「一緒に行って欲しい場所」って、リュウオウ君のお母さんが働いていた風俗だった。
好奇心や興味じゃない。
リュウオウ君は真実が見たかったんだ。
その後、リュウオウ君と彼のお母さんとジュリアは、お店の一室に通された。
事情を説明すると、ジュリアとリュウオウ君はすぐに帰されたけど、おばさんは普通に怒られたと思う。実際、家に帰ってからはジュリアが涙目で怒られた。
そりゃ息子にあんな仕事の場面見られたら、泣くよね。
帰り際。
そのビルのエレベーターに乗って、1階に着いてドアが開いた瞬間、ある人に出くわした。
「あれ?あれれ?」
その老人はジュリアが最近会ったことのある人。
「ジュリアちゃんじゃないの」
その人はジュリアが今朝まで接客していた男、老王 練馬ヨシムネだった。
「びっくりしたあ」
ジュリア達は、とりあえずエレベーターを一歩出る。
「練馬さん どうしてここに」
リュウオウ君はジュリアと練馬会長を交互に見上げている。
「どうしてって ここ僕のビルだもん」