0016 葛飾 ジュリア 蛹 編 (26/91)
ジュリアが何かを思い出しかけていると、止まらず走り出すリュウオウ君が視界に映る。
「ちょ ちょっと!」
リュウオウ君が向かったのはそのビルの地下。
「まずいよ!」
そこは風俗のお店だった。
「先に入れ」
立ち止まってジュリアをにらむリュウオウ君の瞳は、黒目が多い子犬みたいな目。
でもこの子には逆らえない。むしろ昆虫みたいな怖さを感じる。
扉を開けた瞬間、店内から爆音の音楽が流れていた。
「いらっしゃ 」
ジュリアに気付いた店員さんが声を張り上げたけど、女の子のジュリアにびっくりしたみたい。
「えっと ウチはピンサロだけど」
「あ あの」
ジュリアもボーイもテンパッている間に、リュウオウ君が駆け出す。
「へっ?」
「あ ちょっ ちょっと!」
ボーイが焦ってリュウオウ君を捕まえる。
「離せ!」
暴れるリュウオウ君を、男の店員さんが押さえ込む。
「10年早いぞ君!」