0016 葛飾 ジュリア 蛹 編 (24/91)
練馬会長達は長時間いたけど、ジュリア自身はなんとか明け方には帰れた。
「はあ」
ドレスを脱ぎながら、ため息を吐く。
ヘロヘロに酔っていても、帰る家を思い出すと超ブルー。ジュリアはまたあの訳の分からない家に帰らないといけない。
送迎車に送ってもらい、あのアパートに着いた。アパートに着いた頃には嫌悪感と緊張感と寒さで酔いが覚めていた。
江戸川という紙の表札が張られたドアを開けても、家の中と外の寒さは大して変わらない。
暗くて臭くて寒い家。
お陰で、さらに酔いが覚めたよ。
時間は午前4時。おばさんもリュウオウ君も寝ていた。
シャワーを浴びたいけど、この家のお風呂って細くて白いキノコが生えているし、シャワーの出も悪いし、床もヌメヌメしてるし、壁は赤と黒のカビで覆われているし。
なんか今は特に入りたくない。
あーあ、ちゅかれた。
心の中で甘えた言い方をしても、甘えられる人がいない。静かに着替えて、メイクも落とさずにそっと布団に入った。
布団はカビ臭くてしっとりしていて。
セイヤに会いたい。一緒に寝たい。寒い。
そう思うと、今の惨めさに鼻の奥がツンとした。