0016 葛飾 ジュリア 蛹 編 (23/91)

「ジュリアちゃーん うちの系列おいでよー」


「えー?どうしよー」


代表が連れて来た知人は、キャバクラや風俗を多数運営するグループの会長。


細かくシワや肌の荒れも目立ち、チョビヒゲにうさん臭いメガネ。


なんか雰囲気も成金って感じより、床屋のおっさんみたい。


微塵も信用できる要素は無いけれど、彼を知る女の子達はみんな緊張している。


「練馬さん 勘弁してください」


うちの代表もなかなかの人物だけど、その会長のタチの悪さは有名だった。



夜の老王 練馬ヨシムネ。



そんな風に自分を呼んでいるけど、少なくてもジュリアは直接関わる気にはなれないよね。


借金した女の子に風俗をやらせたり、男は内臓を売らせたり戸籍を売らせたり。


練馬さんの噂は色々あるけど、大体が古風で悪質な金融屋と似たような話ばかりだ。


けど彼の評判で1番気を付けなければいけないのは、狙った獲物は必殺で逃さないってところ。


借金をして、逃げたり相談所に駆け込んでも必ず追い詰めて、奪い取る。


それに、かなりせこい事もしているみたい。


ドリーム詐欺っていうんだっけ。何人かの若者に自身の会社の後継人をまかせるなど、夢のある話をして本人達からお金を騙し取る、なんて話も聞いた事がある。


もちろん、練馬会長がその座から身を引くなんて様子は殺されない限り有り得ない。


見た目こそ安っぽいけど、ケチでしつこく、陰湿でせこいという最低の四拍子が揃ったヤクザもどきというのが、みんなの練馬会長に対する印象だと思う。