0016 葛飾 ジュリア 蛹 編 (22/91)

「失礼しますジュリアちゃんです」


ボーイがジュリアを紹介した瞬間、また『 キュイ──ン 』が鳴った。


ジュリアが着いたお客さんは以前に着いた事がある学生さんで、今日はスロットに勝った話を延々としてきた。


普段なら、あくびが出るような話ばかりだけど、こういう平凡さすら今日のジュリアには心地良い。


普通に接客をしていく中で、お客さんの友達が突然、ゲームをしようと言い出した。


『 カチッ 』


ジュリアとサチさんがその話に乗った瞬間、歯の裏から音がした。


けど、始まったゲームはグッダグダ。結局、お客さんの友達が勝ち、サチさんが負けた。


「やらして」


うわ、やらせる訳ないじゃん。勝った男の子のバカな命令に呆れたけど、サチさんは紅い髪を揺らして「はい」と言った。あんなキャラじゃないのに。


びっくりしたのが、ゲームに負けたサチさんは、その男の子の言う通りにアフターで一緒に帰っていっちゃた事。


アフターがあるとはいえ、あんな学生の為にいきなり帰るものだから、店側も戸惑っていた。


後から考えると、あれはSCMの勝負だったんだ。


ルール上はビリトップだけが対象だったから、ジュリアは2番手に負けたお陰で奴隷にはならなかったけど。


改めて考えたらゾッとするほどギリギリの状況だった。


サチさんが帰った後に、その日、本来出勤した目的の代表とその知人が来店した。


ジュリアも含めて、お店の子何人かで代表とその友人を接客する。


高いシャンパンを並べ、たくさんの女の子の中心にいるのは60代のおじいさんだった。