0016 葛飾 ジュリア 蛹 編 (20/91)

おばさんに事情を話すと、おばさんは今晩家にいるから問題なく出勤ができる事になった。代表にメールで出勤をする事を伝え、速攻で準備をする。


「行ってきます」


玄関でブーツを履いていると、耳元で声がする。


「SCMは絶対外すなよ」


リュウオウ君の高い声が、とても怖い。


「はい」


思わずした返事だけど、それしか言えなかった。


「行ってらっしゃい」


電車の中でも、街に着いて歩いていても、さっきの出来事の答えは何も出てこない。


ただ分かることは、このSCMっていう機械が原因である事だけ。


久しぶりのお店は、その時のジュリアにとっては我が家みたいに安心できた。


「ああ」


ほんのり香る香水の匂いですら懐かしくて、胸がときめく。


キラキラした店内を見たら、なんか泣きそうになった。


暗くて寒くて臭くて、訳の分からないあの家が本当に嫌だと、改めて思う。


「お ジュリアちゃん 久しぶり」


「てんちょー おはよー」


ルンルンした気分で店長に挨拶すると、代表達は遅れると教えられた。