0016 葛飾 ジュリア 蛹 編 (4/91)
相談した不動産屋で勧められたけど、ジュリアが働いていたキャバクラにはダミー会社も無かった。そしてジュリアには保証人になってくれる親戚もいなかった。
お客さんの中でも部屋を融通してくれるって言う人もいたけど、みんなジュリアを囲いたい下心を感じていた。
誰かを信じると必ず裏切られる。その時のジュリアには、その気持ちが強くあったの。
保証人を探す為に親戚を当たっていると、少しの生活費を入れる事と、子供の面倒を見てくれるなら家にいていいという人が現れた。
母方の従姉妹に当たる人で、私も相手もお互いをよく知らなかった。
初めは虫のいい話に疑いもしたけど、彼女も子供の面倒と仕事の両立を1人でする事に相当困っていた様子だった。
結局ジュリアも行く宛てに困っていたから、その話に飛びついた。
ワンコは友達の家に預けて、次の家を探すまでの短期間なら。そう思った。
会って、その家に住んでから分かったのは、彼女は風俗で働きながら1人で子供を育てていた事。離婚したのか、初めからいなかったのか、父親はその家にいなかった。
そして、その親戚の家の子供が、リュウオウ様だった。
母親はほとんど家に帰っては来ない。朝から晩まで、何店かの風俗でずっと働いている。
家の中はとても狭くて汚くて、臭かった。
放置されて色が変わった玉子焼きに、炊飯器の中には茶色に変色してドロドロになったご飯。水周りも特に汚く、お風呂場の排水溝にはひたすら毛が溜まっていた。
ジュリアだったら母親でも子供でも、気が狂うと思う。