0015 台東 フジコ (50/58)
凍える様な水の冷たさ。
空を見上げると、月が輝いている。
「うぼ」
「うお!」
ダ目黒さんが寝ゲロを吐いて、中野タイジュが驚いている。
みんな、私の奴隷じゃなくなっちゃった。
「すぐにここを出るから 早くして」
リュウオウの声が、より鮮明に聞こえた気がした。
「ほれ」
中央アタルが私に手を差し出す。
優しいじゃない。
「優しくしたって惚れないわよ」
「何を言っている 急げ」
あら。なんか寂しいわね。
中央アタルは私を引き上げると、杉並さんを始め、私の元奴隷達に声を掛けて抱き起こす。
彼も奴隷とはいえ、他の奴隷達のリーダー的な存在なのね。
水の中も冷たいけど、外も凍える。
けど寒さを感じる余裕も無く、私達は各々の車に乗り込んだ。
杉並さんは無事に目黒さんの車に乗り込んだようね。
私は流れで、中央アタルの車に乗り込んだ。
リュウオウも一緒に。