0015 台東 フジコ (51/58)
私は助手席の窓から、学校のグラウンドを見る。
「大田ユウガの姿が見えないけど 彼はどこに行ったのかしら」
「さあな」
私の疑問に、中央アタルはエンジンをかけながらそう答えた。
リュウオウは何も言わない。
全員が乗り込むと、車は全てはけた。周りに大田ユウガが乗ってきたであろう車はない。
リュウオウは、荒川エイアに一体何をしたのかしら。
「ねえ」
疑問を感じていると、リュウオウが私に話しかけてきた。
私はリュウオウを見る。
「貯金はいくらある?」
貯金。なんら不思議はない。
奴隷にした人間から、お金を徴収する腹は容易に考えられる。
「70万くらい」
「そう 全部ちょうだい」
軽く言ってくれるじゃない。
「ええ 分かったわ」
けど、渡すしかない。
「仕事は?」
「病院の 看護師よ」
中央アタルと後部座席のリュウオウは、フロントミラー越しに目を合わせた。