0015 台東 フジコ (41/58)
リュウオウの足元には配線コードが流れている。
大田ユウガは携帯電話を耳に当て、誰かに電話をかけながら、リュウオウに話しかける。
「あまり大人を舐めないでほしいね」
子供の姿のリュウオウにシカトされてイラついたのか、大田ユウガがリュウオウに食い付いた。
「あそこにいた犬と女の人なら 出ないよ」
犬と女。
ズシオウマルと荒川エイアね。
「は?嘘つくなクソガキ 配線は切ったんだろ?」
配線コードは切ったのか、それとも今一度電流を流す事が出来るのか。
まあ私達が気になる所を、大田ユウガが代弁してくれた形ね。
けど大田ユウガの電話には、誰も出る様子がない。
「エイアとズシオウマルをどうした!」
大田ユウガの顔は、暗闇でも青ざめていると分かった。
「犬は車に閉じ込めた」
リュウオウは、ゆっくりと大田ユウガに顔を向ける。
「女の人は 」
「エイアは!」
「そんなに気になるなら
見てくれば?」
リュウオウの意味深な言葉の直後に、杉並さんが何かに気付いた。
「あの大きな工具」
私達はリュウオウが担いでいる、金属バットと似たシルエットの工具を見る。
「血が垂れてる」