0015 台東 フジコ (40/58)
私は一瞬、ついに荒川エイアが来たのかとも思った。
けど視線の先に現れたのは、小さなシルエット。
子供?
「リュウオウ」
中央アタルがつぶやいた。
「リュウオウ」
「リュウオウだ」
他の奴隷たちも、口々に彼の名を呼んだ。
リュウオウ。
荒川エイアどころじゃない大物、リュウオウね。
まさか、この期に及んで本人が来るとは思わなかったわ。
フジコびっくり。
「配電盤の電流はオフにしたから」
男の子か女なのか分からない、高い声。
小学校とはいえ、夜だからか、そこに立つリュウオウの姿は不自然に見える。
リュウオウは、体格とは不釣り合いな大型のペンチを肩に担いでいた。
最初はあれで配線を切ったのかとも思ったけど、彼は電力をオフにしたと言ったわね。
大田ユウガはポケットから携帯電話を取り出しながら、リュウオウに話しかける。
「驚いた 君があのリュウオウなのか」
「電力は 僕の気分次第で繋げる事ができる」
けれど、リュウオウはダ目黒さんの先にいる私達に話しかけてきた。