0015 台東 フジコ (39/58)
「ぴっ!ぴかぢゅー!」
大田ユウガはそんなふざけた言葉を発し、2本のコードをプールに放り投げた。
遠くで犬の鳴き声が聞こえる。
放り投げられたコードが、妙にスローモーションに見えた。
私は振り返り、中央アタルを中心に全員を見る。
「ごめんね」
あーあ。失敗しちゃった。
ポチャン
落としたコードは水面に落ちる。
けど、何も起きなかった。
一瞬、マンガの様に時間が止まる。
「あれ?」
「ハッタリかゴラ!」
真っ先に文京さんがそう言った。
ザブ バチャ
直後に目黒さんが大田ユウガに向かって水面を突き進む。
名誉挽回のつもりで、大田ユウガを取り抑えようとしているのかしら。
「動くな」
明らかにダ目黒さんに対する、女の様に高い声が聞こえた。
けど、その場にいる誰とも違う。
大田ユウガが放り投げた配線の元の方に、彼とは別の、もう1人の人間が立っていた。