0015 台東 フジコ (33/58)
「おい 何か策(さく)はあるか?」
中央アタルが水面から小声で私に話しかけてきた。
続いて中野タイジュも私を見る。
「他に助っ人がいるとか 爆弾を仕掛けているとか」
私は微笑みながら中央アタルを見る。
「こっちのセリフよ」
実際、下準備が必要な策は用意していない。
行き当たりバッタリ。
状況を楽しむスタンスは変えていないわ。
「勝つ気あったの?」
話を聞いていた足立シヲリが、私に横槍を入れてきた。
「勝つ時は勝つし 負ける時は負けるでしょ」
バチチッ
「おーい 何話してんの 人の話聞いてよ!」
大田ユウガはまた火花を散らし、注目を望んできた。
彼って目立ちたがり屋さんよね。
私は大田ユウガを見たまま、足立シヲリに言う。
「私が時間を稼ぐから 彼を何とかしなさい」
別に中央アタル達と共闘を望んでいる訳ではない。
感電して汚いプールに入るのが嫌なだけ。
不思議そうな顔をした足立シヲリを横目に、私は大田ユウガに向かって口を開いた。
「大田さーん 私が怖いんでしょ?」