0015 台東 フジコ (20/58)

勝負は受けた方にしか決められない。けど申し込んだ方にも提示された勝負の拒否権はある。


こんな雑なルールのせいで、勝負はなかなか決まらない。


むしろビビって勝負を仕掛ける奴なんて、いなくなる。


それによって"場所と勝負"を互いに決めるという、既存のルールより一歩手前の、フェアを意識する提案がリュウオウ側から出てきた。


リュウオウ側が指定して来たのが、このプール。


私はプールを見回した。


ビート板が置かれた棚があったり、腰まで浸かる消毒用の段差、シャワー。


何の変わった所も無い、普通の小学校のプール。


けど、もしかしたら様々な罠があるかもしれない。


普通は受けない、そんな提案。


でも私は受けた。


懸念をしていたら何も出来ないじゃない。


私って前向き。


こんな前向きな所も、シンノスケ、あなたの影響よ。


私は目黒さんのイスから立ち上がり、中央アタルを見た。


「ご主人様のリュウオウがいないみたいだけど」