0004 目黒 マサカズ (14/29)
俺は四つん這いのままの体制で、片手を挙げ。
したくないのに、しなければもっと恐ろしい目に合う気がしたんだ。
バチンッ!
自分の顔を殴った。
「どう?痛い?」
くそ。自分の顔を殴るなんて初めてだ。
「はい 痛いです」
「もう1回」
バチンッ!
「痛い?」
「はい」
「良かったあ 夢じゃないのね」
ルシエは嬉しそうに言った。そしてタバコを、俺の尻に着けて消そうとする。
ヂュッ
「あ゙づ!」
俺は叫んで、ケツにキュッと力を入れた。同時に体がビクンと動く。
「体勢を崩すなよ」
ルシエの言葉に俺は「ひゃい」と情けない声を出した。この女の声が無条件に怖い。
「あんたがあたしにした事 あたしは絶っっっ対に許さない」
その声は俺にとって本当に恐ろしかった。暖房を付けない中、俺は裸。寒さなのか重みの疲れなのか、恐怖なのか。俺の腕や足が、ブルブルと震える。
「イカサマだろうが ルールに沿った敗北感を少しでも与えれば 奴隷になるんだ」
ルシエは俺の上で何かの本を読みながら、独り言を言っている。この位置からは、その本の表紙にSCMと書かれていることしか分からない。
「SCM最高」
奴隷?SCM?一体なんなんだ。
「ジャマイカにようこそクソ野郎」
くそ。ジャマイカってどこだよ。