0014 大田 ユウガ (51/60)
そうか。
あっち向いてホイって、始めにジャンケンをする。
それだ。
3回戦とか、ある程度ルールを付け加えないと始めのジャンケンで『負けた』って思うだけで、負けになりうる。
さらに、僕はすでに諦めていたから、その気持ちが敗北感を手伝った可能性もある。
それにしても、こいつやるな。
もしかしたら本題のあっち向いてホイの段取りを変えて、僕が裏切るかも知れない。
けどこいつはジャンケンの時点で僕を負かせた。
計算か偶然か。
「うっ ふう 鳴った」
僕は気分の悪さを我慢して、そう言った。
主人が切り替わると気分が悪くなると聞いていたけど、結構ツラいね。
「動かないでいろ」
その声と同時に、後ろの座席から携帯を開く音が聞こえた。
GPSを確認しているんだ。
「よし SCMを外して車を出せ」
僕は素直にSCMを外した。
どうやら後ろの奴もすぐに外したようだ。
「どこに」
「いいから早く!」
その声は聞き覚えのある女の声。ボイスチェンジャーも外したんだ。
女はドアを開けて、大声を出す。
「ズシー!もういいよー!」
「オン!」
すぐに犬の鳴き声が聞こえた。
エイア。
エイアだ。僕を脅したのはエイアだったんだ!