0014 大田 ユウガ (21/60)
さらに強い自白剤も存在はするが、成分は危険で、よっぽどで無ければ殺人犯の取り調べですら使われない。
「詳しくは知らないけど その薬アルカリ性だろ んなもん注射したら僕は今 呑気にコーヒーなんて飲んでいられなくなってる」
ラボナールを使用したのは嘘だな。
「使っていないだろ 僕に」
少しの間の後、濡れた声が話し始めた。
「ふふ よく知っているのね 当たり当たり」
ぶっちゃけ自白剤は僕も使おうとしていた。
だが、強力な自白剤は服用者のその後の人生に支障をきたすほど、精神的な異常を誘発させる。
服用者を廃人にまで追い込むおっかない薬がほとんどだ。
しかも使用時には点滴で徐々に注入する場合が多い。
危ない上に、手に入れるのに恐ろしく手間がかかるんだ。
「そう あなたの言う通り 小説や映画みたいに都合のいい自白剤はそう存在しない」
女はそのまた僕の唇にアイスコーヒーを当てた。
「ハンカチに浸した程度のクロロホルムで人は眠らないし ハルシオンより合理的で強力な薬はあるのに どうして小説や映画ではあれを使うのかしら?」
知るか。
「錠剤は効果が遅効性の薬がほとんどなのに」